この記事のポイント
- 脳脊髄液漏出症は、座ったり立ったりすると強くなり、横になると軽くなる頭痛などが出る病気です。交通事故との関係は医療者の間でも見解が分かれ、裁判では認めない例が多いとされます。
- 結果を分けるのは、基準に沿った画像で髄液の漏れを示せるかと、事故から近い時期に頭痛などが出て続いていたことを、診療記録で示せるかの二つです。
- 等級は病名ではなく残った障害で決まり、裁判で主張される等級は12級13号にとどまることが多いとされます。発症が否定されると、ブラッドパッチの治療費や長い期間の休業損害は認められにくくなります。


交通事故のあと、座ったり立ったりすると強くなり、横になると軽くなる頭痛が続くとき、脳脊髄液漏出症(脳脊髄液減少症、低髄液圧症候群とも呼ばれます)と診断されることがあります。
この病気で後遺障害や賠償を求めるとき、結果を分けるのは主に二つです。一つは、脊髄のMRIやCTミエログラフィーなどの画像で、髄液が硬膜の外に漏れていることを、学会が了承した基準に沿って示せるか。もう一つは、事故から近い時期に起き上がると強くなる頭痛などが出て、その後も続いていたことを、診療記録で示せるかです。
認められない場合もあります
交通事故とこの病気の関係については医療者の間でも見解が分かれており(むち打ち損傷ハンドブック 第4版 82頁)、裁判では発症や事故との因果関係を否定した例が多く、後遺障害を認めた例は少ないとされます(交通事故におけるむち打ち損傷問題 第3版 214頁・220頁)。
認められない場合もあることを前提に、事故の直後からの記録と、基準に沿った画像の資料をそろえることが大切です。
脊髄・神経のけが全体は脊髄・神経の後遺障害、頭のけがは頭部・脳の後遺障害にまとめています。
何が争点になる? 「画像で漏れを示せるか」と「事故からの経過」

主な争点は、「画像で漏れを示せるか」と「事故から症状が出るまでの経過」を中心に、次のとおりです。
| 争点 | 問われること | 主な資料 |
|---|---|---|
| 画像で漏れを示せるか | 脊髄の画像の所見が、画像基準の「確定」「確実」などのどれに当たるか。神経の根元の袋や、検査の針を刺した所からの漏れと区別できるか | 画像のデータ、読影の報告書、主治医の意見書 |
| 事故から症状が出るまでの経過 | 事故から近い時期(日本脳神経外傷学会の基準では30日以内)に、起き上がると強くなる頭痛などが出て、続いていたか | 救急・初診からのカルテ、頭痛の記録 |
| ほかの原因がないか | 事故の前からの頭痛や、ほかの病気で説明できないか | 事故の前の通院歴、主治医の意見 |
| 残った症状の程度 | 頭痛などが仕事や生活にどれだけ差し支えるか | 後遺障害診断書、困っていることをまとめた書面 |
脳脊髄液漏出症とはどんな病気? 起き上がると強くなる頭痛など
髄液が漏れると、何が起きる?
脳と脊髄は、硬膜という膜の袋の中で、髄液(脳脊髄液)という透明な液体に囲まれています(むち打ち損傷ハンドブック 第4版 82頁、交通事故におけるむち打ち損傷問題 第3版 212頁)。
硬膜に穴があいて髄液が外に漏れると、頭の中の圧が下がり、脳が下の方へずれて頭痛などが起きると説明されています(交通事故におけるむち打ち損傷問題 第3版 212頁)。
体を起こすと、クッションの役目をする髄液が足りないぶん脳が重力で下がり、脳を包む膜が刺激されたり、痛みを感じる血管が引っぱられたりして痛むと考えられています(むち打ち損傷ハンドブック 第4版 84頁)。
三つの呼び名はどう違う? 低髄液圧症候群・脳脊髄液減少症・脳脊髄液漏出症

三つの呼び名は、近時は別の病態として使い分けることが多いとされます(交通事故におけるむち打ち損傷問題 第3版 208頁)。
髄液の量全体を測ることは難しく(赤い本 2012年版 下巻(講演録編)88頁)、研究班は漏れを画像でとらえることを中心に「脳脊髄液漏出症」の基準をつくりました(交通事故におけるむち打ち損傷問題 第3版 211頁)。
脳脊髄液減少症研究会の2007年のガイドラインによる診断は、裁判で認めない判断が相次いだとされます(交通事故におけるむち打ち損傷問題 第3版 210頁・213頁)。
どんな症状が出る?

症状だけでは、決め手にならないとされます
症状が多彩なため、症状だけでは診断の決め手にならないとされます(むち打ち損傷ハンドブック 第4版 84頁)。
頭痛は、起き上がったときだけに出るとは限らず、横になっていても痛むことがあり、夕方に悪くなる頭痛も多いとされ(同 84頁)、起立性頭痛がなくてもこの病気を否定できないとする指摘もあります(すぐに役立つ脳神経外科救急ハンドブック 改訂3版 283頁)。
一方、似た症状は脳幹や内耳の不調などでも起こるため、しかるべき検査をせずに安易にこの病名をつけてはならないとされています(むち打ち損傷ハンドブック 第4版 90頁・91頁)。
原因と治療は?
原因のはっきりしないもの(特発性)も多いとされます(頭部CT・MRIの撮像・読影マスター 109頁)。外傷による低髄液圧症候群の69%が交通事故によるという国内の報告も紹介されています(交通外傷 メカニズムから診療まで 123頁)。

基準に沿って診断された人での有効率は83%と報告される一方(すぐに役立つ脳神経外科救急ハンドブック 改訂3版 285頁)、完治しない例もあります(むち打ち損傷ハンドブック 第4版 91頁)。
画像ではどう診断する? MRI・脊髄の検査と診断の基準

症状と検査の所見を、検査が示すものごとにまとめました(出典の書名は略称で、正式な書名は参考文献のとおりです)。
まず見るのは頭痛の出方です。座る・立つと15分以内に強くなり、横になると軽くなる頭痛は、低髄液圧を疑うきっかけになります。起立性がはっきりしない例もあります(脳神経外科救急ハンドブック 283頁・284頁)。
- 頭の造影MRI:硬膜が全体に厚くなり、強く造影される。低髄液圧の主な所見。発症の直後は出ないことがあり、時期をおいて撮り直す(読影マスター 109頁、頭部救急のCT・MRI 434頁・435頁)
- 頭のMRI(FLAIR):硬膜の下に液体がたまる。低髄液圧に伴う所見。硬膜下血腫になることもある(読影マスター 109頁、頭部救急のCT・MRI 435頁)
- 腰椎穿刺(腰に針を刺して測る):髄液の圧が60mmH2O以下。低髄液圧の証拠。長引くと下がっていない例も多い。針を刺すこと自体で漏れるおそれもある(脳神経外科救急ハンドブック 284頁、むち打ち損傷ハンドブック 85頁、頭部救急のCT・MRI 438頁)
- 脊髄のMRI・MRミエログラフィー:硬膜の外に水の信号。体への負担が小さい。静脈や関節の液も白く写るので、造影した撮り方と見比べる(むち打ち損傷ハンドブック 88頁、頭部救急のCT・MRI 437頁)
- CTミエログラフィー:硬膜の外に造影剤が漏れる。漏れの判定で信頼度が高いが、体への負担がある。少しずつの漏れは写らないこともある(頭部救急のCT・MRI 438頁、むち打ち損傷ハンドブック 88頁)
- 脳槽シンチグラフィー:片側に限られた薬の異常な集まり。薬が早く膀胱に集まる所見は、針を刺した所からの漏れでも出るので慎重に見る(むち打ち損傷ハンドブック 95頁、頭部救急のCT・MRI 438頁)
画像基準の「確定」「確実」「強疑」「疑」とは?
画像基準は、検査ごとの所見を、漏れの確からしさの順に「確定」「確実」「強疑」「疑」に分けています。要点は次のとおりです(交通事故におけるむち打ち損傷問題 第3版 214頁、むち打ち損傷ハンドブック 第4版 93頁)。
| 検査 | 「確定」「確実」に当たる所見 | 「強疑」「疑」にとどまる所見 |
|---|---|---|
| CTミエログラフィー | 硬膜の外に漏れた造影剤が、髄液の通り道(くも膜下腔)とつながって見える(確定)。針を刺した所とつながらない、硬膜の外への漏れ(確実) | ― |
| 脊髄のMRI・MRミエログラフィー | 硬膜の外の水の信号が、造影されず、かつ、くも膜下腔とつながっている(確実) | 造影されない、くも膜下腔とつながる、のどちらか一方だけ(強疑)。硬膜の外に水の信号があるだけ(疑) |
| 脳槽シンチグラフィー | 片側に限られた異常な集まりに、髄液の流れの滞りが加わる(確実) | 片側に限られた異常な集まりだけ(強疑)。左右で非対称な集まりや、首から胸の左右対称の集まり(疑。流れの滞りが加われば強疑) |
「確定」「確実」の所見があれば、脳脊髄液漏出症の「確定」「確実」と診断され、同じ場所に「強疑」と「強疑」、または「強疑」と「疑」の所見がそろった場合も「確実」とされます(交通事故におけるむち打ち損傷問題 第3版 214頁、むち打ち損傷ハンドブック 第4版 93頁)。
裁判では、神経の根元を包む硬膜の袋が普通に写っただけのものや、神経の根元に沿った造影剤の広がり、検査の針を刺した所からの漏れを、事故による漏れと取り違えていないかが争われることがあります(交通事故におけるむち打ち損傷問題 第3版 215頁)。
そのほかの診断基準は?
- 起立性頭痛か体位による症状の変化に加え、硬膜の造影所見、60mmH2O以下の髄液圧、漏れを示す画像所見のどれかを求めます
- 外傷から30日以内の発症で外傷以外の原因が否定的なことを「外傷に伴う」条件にしています
- 硬膜の造影所見と、仰向けか横向きで測った60mmH2O以下の髄液圧の両方があれば、低髄液圧症「確定」
- 一方なら「確実」
令和元年の診療指針は、関連する8学会が合同でまとめたものです(交通事故におけるむち打ち損傷問題 第3版 213頁)。
事故との因果関係は、どこが争われる?
医学書には、交通事故でこの病気が起きる可能性は十分にあるとしつつ、どのような場合に、どのくらいの割合で起きるかは分かっていないとする記述があります(むち打ち損傷ハンドブック 第4版 90頁)。
裁判で否定例が多い背景として、加害者側から出される医師の意見書の影響が大きく、被害者側の医師が有効に反論できていないことが指摘されています(交通事故におけるむち打ち損傷問題 第3版 214頁)。冒頭の表の点のほか、次の点も争われます。
- 起立性頭痛の記録:カルテに、体を起こすと悪くなるという訴えが書かれていないことが、起立性頭痛を認めない理由とされることがあります(交通事故におけるむち打ち損傷問題 第3版 215頁)。
- ブラッドパッチの効果:効果がどのくらい続いたかも、診断を支える事情か、否定する事情かとして問題になります(同 216頁・218頁)。

事故からの経過は、どう記録する?
事故からの経過を次のような表にして残しておくと、カルテや画像と照らし合わせやすくなります。時期ごとに、書きとめることと、裏づけになる資料をまとめました。
- 当日〜
1週間事故の状況、打った所、頭痛や首の痛みがいつから出たか
裏づけ:救急の記録、初診のカルテ、事故の状況が分かる資料 - 30日
まで座る・立つと何分くらいで頭痛が強くなるか、横になると軽くなるか、朝と夕方で違うか
裏づけ:カルテの問診の記載、自分でつける頭痛の記録 - 検査の
とき受けた検査の名前と日付、髄液の圧の値
裏づけ:画像のデータ、読影の報告書 - 治療の
とき安静・点滴の期間、ブラッドパッチの日付と、効果が何日続いたか
裏づけ:処置の記録、看護記録 - 症状
固定残った症状、仕事や家事で困っていること、休んだ日数
裏づけ:後遺障害診断書、勤務先の資料
因果関係が争われるときに出す資料は?
資料のチェックリスト
- 救急・初診からのカルテ(頭痛の訴えと、体位で変わるかの記載)
- 事故の前の頭痛や首の痛みの通院歴(ないならそのことが分かるもの)
- 頭の造影MRI、脊髄のMRI・MRミエログラフィー、CTミエログラフィー、脳槽シンチグラフィーの画像データと報告書
- 髄液の圧を測ったなら、その値と測ったときの体の向き
- 主治医の意見書:画像基準のどの所見に当たるか。神経の根元の袋や針を刺した所からの漏れと区別したか。事故から発症までの経過。ほかの原因で説明できないか
- ブラッドパッチの記録(日付、効果、続いた期間)
- 頭痛の記録と、仕事や家事への差し支えをまとめた書面
後遺障害は何級になる? 神経症状の等級の考え方
等級表は病名ではなく、残った障害で等級を決めます。自賠責保険の等級の認定は、原則として労災保険の障害等級認定基準に準じて行われます(赤い本 2020年版 上巻 437頁)。
頭痛については、「神経系統の機能又は精神の障害に関する障害等級認定基準」(平成15年8月8日基発第0808002号。以下「認定基準」)が、頭痛の種類を問わず、痛みの場所・性質・強さ・頻度・続く時間・一日の中での変化と、痛みの原因を示す他覚的所見から、仕事や生活への差し支えの程度をみて等級を決めるとしています。
| 等級(別表第二) | 別表第二の文言 | 認定基準の頭痛の目安 |
|---|---|---|
| 9級10号 | 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの | 通常の仕事はできるが、激しい頭痛のため時には働けなくなることがあり、就ける仕事の範囲が相当に狭まる |
| 12級13号 | 局部に頑固な神経症状を残すもの | 通常の仕事はできるが、時には仕事に差し支える程度の強い頭痛が起こる |
| 14級9号 | 局部に神経症状を残すもの | 通常の仕事はできるが、頭痛がたびたび出やすくなった |
認定基準は労災保険の等級表の号数で書かれているため、号数は自動車損害賠償保障法施行令の別表第二と一部ずれます(赤い本 2020年版 上巻 411頁)。
12級と14級の分かれ目
12級と14級の分かれ目は、自賠責保険の実務で、障害の存在を医学的に証明できるものを12級、医学的に説明できるものを14級とする考え方がとられているといわれます(交通事故におけるむち打ち損傷問題 第3版 192頁)。
理屈のうえでは9級以上もあり得るとされますが(交通事故におけるむち打ち損傷問題 第3版 210頁・211頁)、裁判で主張される等級は12級13号にとどまることが多いとされます(同 212頁・213頁)。
発症が否定されても、事故による頚椎捻挫などの損害は別に判断されます(同 219頁)。首のけがの等級は「むち打ち」で後遺障害認定を取得する方法 総まとめで説明しています。
等級ごとの賠償の目安は? 計算例

| 等級 | 後遺障害慰謝料(裁判の基準) | 自賠責保険の保険金額(後遺障害の上限) | 労働能力喪失率 |
|---|---|---|---|
| 9級 | 690万円 | 616万円 | 35% |
| 12級 | 290万円 | 224万円 | 14% |
| 14級 | 110万円 | 75万円 | 5% |
逸失利益の計算のしかた
逸失利益(将来の収入の減少分)は「基礎収入×労働能力喪失率×喪失期間に応じたライプニッツ係数」で計算し、期間は原則として症状固定から67歳までです(赤い本 2020年版 上巻 99頁・100頁)。
法定利率は、令和2年4月1日から令和11年3月31日までの事故で年3%です(民法404条・417条の2・722条1項、令和7年法務省告示第73号)。症状固定のとき40歳・年収480万円の方なら、27年の係数は18.3270です(赤い本 2020年版 上巻 429頁)。
| 等級 | 逸失利益 | 後遺障害慰謝料 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 14級9号(5%) | 439万8,480円 | 110万円 | 549万8,480円 |
| 12級13号(14%) | 1,231万5,744円 | 290万円 | 1,521万5,744円 |
| 9級10号(35%) | 3,078万9,360円 | 690万円 | 3,768万9,360円 |
むちうちの神経症状では、期間を限る例が多い
むちうちの神経症状では、喪失期間を14級で5年程度、12級で10年程度に限る例が多く(赤い本 2020年版 上巻 99頁)、14級で5年(係数4.5797)とすると逸失利益は109万9,128円です。喪失率や期間は、症状や仕事の内容、年齢なども見て決められます(同 99頁)。計算の方法は交通事故の逸失利益とは?職業別の計算方法で説明しています。
治療の費用と賠償はどうなる?

治療費は、必要で相当な実費が賠償の対象です(赤い本 2020年版 上巻 1頁)。ブラッドパッチは平成28年4月から健康保険の対象になりましたが(交通事故におけるむち打ち損傷問題 第3版 211頁・219頁)、保険診療で受けられるのは診断基準や診療指針の基準に当てはまる人に限られるとされます(すぐに役立つ脳神経外科救急ハンドブック 改訂3版 285頁)。
発症が否定されると
発症が否定されると、ブラッドパッチなどの治療費は、認めた例もあるものの、多くの裁判例で否定されているとされます(交通事故におけるむち打ち損傷問題 第3版 219頁)。
休業損害も、症状固定の日が首のけがだけを基に比較的早い時期と認定され、休業の期間が短くなりやすいとされます(同 219頁)。
東京地方裁判所の交通事件を扱う部では、平成18年の時点で、脳脊髄液減少症を主張する事件が20件を超えていたとされ(赤い本 2007年版 下巻(講演録編)2頁・3頁)、治療が長引くと、事故から何年もたって加害者側が損害の確定を求める裁判(債務不存在確認訴訟)を起こす例もあります(同 2020年版 下巻(講演録編)38頁)。
治療費の打ち切りを告げられたときは治療費打ち切りへの対処方法をご覧ください。
よくある質問
事故から1か月以上たってから頭痛が強くなりました。事故との関係は認められませんか。
日本脳神経外傷学会の基準は外傷から30日以内の発症を条件にしており(すぐに役立つ脳神経外科救急ハンドブック 改訂3版 284頁)、発症が遅いほど事故との関係を示すのは難しくなります。ただ、頭痛は事故の直後からあったのに、その特徴がカルテに書かれていないだけのこともあるので、救急と初診からのカルテで、いつからどんな頭痛を訴えていたかを確かめましょう。
むちうちと言われています。脳脊髄液漏出症を主張したほうがよいですか。
求める等級が12級13号にとどまるなら、あえてこの病名で争う意味が問われるので、見通しや立証にかかる費用も考えて慎重に決めるべきだとする指摘があります(交通事故におけるむち打ち損傷問題 第3版 213頁)。一方、発症が否定されると、ブラッドパッチの治療費や長い期間の休業損害は認められにくくなります(同 213頁・219頁)。
自賠責保険で非該当とされました。
異議申立てができます。非該当の理由が画像の読み方なのか、事故から発症までの経過なのかを見きわめ、上のチェックリストの資料で補います。裁判所は自賠責保険の等級認定に縛られず、証拠全体から判断しますが(交通事故におけるむち打ち損傷問題 第3版 193頁)、裁判でも認められない例が多いのは先に述べたとおりです。後遺障害の全体は交通事故の後遺障害(けがの部位から探す)にまとめています。

参考文献
- 自動車損害賠償保障法施行令 別表第二
- 厚生労働省労働基準局長通知「神経系統の機能又は精神の障害に関する障害等級認定基準について」(平成15年8月8日基発第0808002号)
- 厚生労働科学研究費補助金 障害者対策総合研究事業「脳脊髄液減少症の診断・治療法の確立に関する研究」班「脳脊髄液漏出症画像判定基準・画像診断基準」(平成23年10月)
- 民法404条・417条の2・722条1項、令和7年法務省告示第73号
- 頭部CT・MRIの撮像・読影マスター 108頁〜110頁
- すぐに役立つ脳神経外科救急ハンドブック 改訂3版 283頁〜285頁
- ここまでわかる頭部救急のCT・MRI 434頁・435頁、437頁・438頁
- むち打ち損傷ハンドブック 第4版(丸善出版)82頁、84頁・85頁、88頁〜91頁、93頁、95頁
- 交通外傷 メカニズムから診療まで 123頁
- 交通事故におけるむち打ち損傷問題 第3版(保険毎日新聞社)192頁・193頁、208頁、210頁〜216頁、218頁〜220頁
- 公益財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部『民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準』(赤い本)2020年版 上巻 1頁、99頁・100頁、196頁、411頁、429頁、437頁、441頁
- 同 2007年版 下巻(講演録編)佐久間邦夫「最近における東京地裁民事交通訴訟の実情」2頁・3頁
- 同 2012年版 下巻(講演録編)川俣貴一「外傷による脳損傷の基礎知識」88頁
- 同 2020年版 下巻(講演録編)中直也「債務不存在確認請求訴訟をめぐる諸問題について」38頁



