この記事のポイント
- 顔を強く打つと、目・耳・鼻・口の働きに障害が残ることがあります。等級は法令の表で決まっています。
- 等級は、決まった検査で程度を確かめないと認められません。本人の意思に左右されない検査が必要になることもあります。
- 見え方・聞こえ・歯の異変は、早めに受診して、記録に残してもらうことが大切です。
- 歯やにおいの障害では、仕事や家事への支障を資料で示すことが大切です。


交通事故で顔を強く打つと、目・耳・鼻・口の働きに障害が残ることがあります。見えにくい、物が二重に見える、聞こえにくい、においが分からない、うまくかめない、歯を失った。どれも暮らしに響く障害ですが、決まった検査で程度を確かめないと、等級は認められません。
この頁では、顔(目・耳・鼻・口・歯)のけがで残りやすい障害と、認められる等級、等級を認めてもらうために必要な検査と資料を、交通事故を扱う弁護士がまとめました。
顔に残った傷あとは傷あとの後遺障害(醜状障害)で、頭を打ったあとの記憶や注意力の障害は頭部・脳の後遺障害で説明しています。
顔(目・耳・鼻・口)には、どんなけがが多い?
目:目の周りの骨折と、視神経のけが
顔の骨のうち、鼻、頬、目の周り(眼窩)、上下のあごの骨は折れやすい部位です(頭頸部画像解剖ナビゲーション 338頁)。目の周りの骨は下の壁と内側の壁がとても薄く、ここが折れる「眼窩吹き抜け骨折」が起こりやすいとされています(同 91頁・92頁)。
折れた所に目の周りの筋肉や脂肪がはみ出すと、目の動きが悪くなり、物が二重に見える(複視)ことがあります(赤い本 2024年版 下巻 150頁・151頁・156頁)。
眉の外側あたりを打った直後から片方の目が見えにくくなったときは、視神経が傷ついた「外傷性視神経症」が疑われます。骨折がなくても起こり、目の奥の視神経は、数週間たってから白っぽく変わります(赤い本 2024年版 下巻 152頁)。視神経は、いったん傷つくと回復が難しいとされています(標準脳神経外科学 第15版 280頁)。
眼球を強く打つと、瞳が開いたままになる(外傷性散瞳)、網膜がはがれる、といったけがも起こります(赤い本 2024年版 下巻 150頁)。
むちうちでも、目のピント合わせ(調節)がうまくいかなくなることがあります。ただし、眼鏡などで矯正した遠くの視力まで落ちることはないとされています(赤い本 2024年版 下巻 157頁・159頁)。むちうちについては首・背中・腰の後遺障害をご覧ください。
耳:耳の奥の骨折と、聞こえの神経のけが
頭の横を打って耳の奥の骨(側頭骨)が折れると、音を伝える小さな骨(耳小骨)のつながりが外れたり、奥の内耳が傷ついたりして、難聴が起こることがあります(赤い本 2020年版 下巻 84頁、頭頸部画像解剖ナビゲーション 252頁・261頁)。
顔を動かす神経が傷ついて顔面神経麻痺が出たり、めまいが起きたりすることもあります(標準脳神経外科学 第15版 9頁・266頁)。
聞こえの症状は、早めに耳鼻咽喉科へ
耳鳴りは、難聴があってもなくても起こります(赤い本 2020年版 下巻 84頁)。むちうちのあとの聞こえの症状は、多くが事故から3か月以内に自覚されるという報告があり(同 90頁)、耳鼻咽喉科の受診が遅れると、事故との関係を疑われやすくなります(同 97頁)。症状があれば、早めに受診してください。
鼻:鼻の骨折と、においの神経のけが
鼻の骨は折れやすい骨です(頭頸部画像解剖ナビゲーション 338頁・339頁)。頭を打ったあとのにおいの障害は、脳と頭の骨の底との間にずれが生じて、左右のにおいの神経が傷つくことで起こり、頭の骨の底(頭蓋底)が折れていなくても生じます(標準脳神経外科学 第15版 266頁)。
意識がはっきりしない時期があると見過ごされやすく、味が分かりにくくなって気づくこともあります(標準脳神経外科学 第15版 280頁)。
口・歯・あご:歯の破折・脱臼と、あごの骨折

どんな後遺障害の等級が認められる?

目の等級
視力は「矯正した視力」で判断します
視力は、近視などがあれば眼鏡やコンタクトレンズで矯正した視力で判断します(別表第二の備考)。裸眼の視力が悪くても、矯正した視力が出ていれば視力の障害にはなりません(赤い本 2024年版 下巻 142頁)。
| 等級 | 視力の障害 |
|---|---|
| 1級1号 | 両眼が失明したもの |
| 2級1号 | 一眼が失明し、他眼の視力が0.02以下になったもの |
| 2級2号 | 両眼の視力が0.02以下になったもの |
| 3級1号 | 一眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になったもの |
| 4級1号 | 両眼の視力が0.06以下になったもの |
| 5級1号 | 一眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になったもの |
| 6級1号 | 両眼の視力が0.1以下になったもの |
| 7級1号 | 一眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの |
| 8級1号 | 一眼が失明し、又は一眼の視力が0.02以下になったもの |
| 9級1号 | 両眼の視力が0.6以下になったもの |
| 9級2号 | 一眼の視力が0.06以下になったもの |
| 10級1号 | 一眼の視力が0.1以下になったもの |
| 13級1号 | 一眼の視力が0.6以下になったもの |
| 等級 | 見える範囲・複視・ピントと目の動き・まぶたの障害 |
|---|---|
| 9級3号 | 両眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの |
| 13級3号 | 一眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの |
| 10級2号 | 正面を見た場合に複視の症状を残すもの |
| 13級2号 | 正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの |
| 11級1号 | 両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの |
| 12級1号 | 一眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの |
| 9級4号 | 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの |
| 11級3号 | 一眼のまぶたに著しい欠損を残すもの |
| 13級4号 | 両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの |
| 14級1号 | 一眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの |
| 11級2号 | 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの |
| 12級2号 | 一眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの |
このほか、労災保険の基準では、瞳が開いたままになってまぶしさが残る外傷性散瞳も、程度に応じて等級の対象とされています(赤い本 2024年版 下巻 134頁)。顔面神経麻痺でまぶたが閉じなくなったときは、まぶたの障害として扱われます(赤い本 2012年版 下巻 96頁)。
耳の等級
聴力の等級は、別表では話し声が分かる距離で書かれていますが、自動車事故や労災保険では、オージオメータで測った聴力レベル(デシベル)を使います(赤い本 2020年版 下巻 85頁)。両耳の聴力レベルが40デシベルを超えると、自賠責でも等級が付く値になると説明されています(同 93頁)。
| 等級 | 後遺障害の内容 |
|---|---|
| 4級3号 | 両耳の聴力を全く失ったもの |
| 6級3号 | 両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの |
| 6級4号 | 一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの |
| 7級2号 | 両耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの |
| 7級3号 | 一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの |
| 9級7号 | 両耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの |
| 9級8号 | 一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの |
| 9級9号 | 一耳の聴力を全く失ったもの |
| 10級5号 | 両耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの |
| 10級6号 | 一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの |
| 11級5号 | 両耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの |
| 11級6号 | 一耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの |
| 12級4号 | 一耳の耳殻の大部分を欠損したもの |
| 14級3号 | 一耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの |
耳鳴りは、難聴を伴うかどうかが分かれ目
耳鳴りは別表にないため、表の障害に「相当する」ものとして評価されます(別表第二の備考)。自賠責の後遺障害診断書では、聴力レベル30デシベル以上の難聴を伴う耳鳴りが対象とされ(むち打ち損傷ハンドブック 第4版 177頁)、聴力が正常の範囲だと、自賠責では後遺障害に当たらないと説明されています(赤い本 2020年版 下巻 97頁)。
鼻の等級と、耳や鼻が欠けたとき
鼻の等級は、別表では「鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの」(9級5号)だけです。においの障害は「相当する」ものとして評価され、後遺障害診断書には、においがまったく分からない「嗅覚脱失」と、弱くなった「嗅覚減退」を分けて書く欄があります(むち打ち損傷ハンドブック 第4版 177頁)。
欠けたときは、欠損と傷あとの「上位の等級」
まぶた・耳(耳介)・鼻が欠けたときは、欠損としての等級と、顔の傷あと(外貌の醜状)としての等級のうち、上位の等級で認定されます。耳介の軟骨部の2分の1以上、鼻の軟骨部の全部または大部分を失ったときは「著しい醜状」(7級12号)として扱われます。顔面神経麻痺による口のゆがみは、「外貌に醜状を残すもの」(12級14号)として扱われます(赤い本 2012年版 下巻 96頁)。詳しくは傷あとの後遺障害をご覧ください。
口(そしゃく・言語)と歯の等級
| 等級 | 後遺障害の内容 |
|---|---|
| 1級2号 | そしゃく及び言語の機能を廃したもの |
| 3級2号 | そしゃく又は言語の機能を廃したもの |
| 4級2号 | そしゃく及び言語の機能に著しい障害を残すもの |
| 6級2号 | そしゃく又は言語の機能に著しい障害を残すもの |
| 9級6号 | そしゃく及び言語の機能に障害を残すもの |
| 10級3号 | そしゃく又は言語の機能に障害を残すもの |
| 10級4号 | 14歯以上に対し歯科補綴を加えたもの |
| 11級4号 | 10歯以上に対し歯科補綴を加えたもの |
| 12級3号 | 7歯以上に対し歯科補綴を加えたもの |
| 13級5号 | 5歯以上に対し歯科補綴を加えたもの |
| 14級2号 | 3歯以上に対し歯科補綴を加えたもの |
そしゃくと言語の障害の程度は、次のように区別されています。言語の「4種類の音」とは、くちびる・舌と歯・上あごの奥・のどでつくる音のことです(交通事故裁判における歯科領域の傷害・後遺障害 29頁〜31頁)。
- そしゃく:流動食しか口にできない
- 言語:4種類の音のうち、3種類以上が発音できない
- そしゃく:おかゆか、それに近い物しか口にできない
- 言語:2種類が発音できない。または、音を続けて話せず、言葉だけでは意思が通じない
- そしゃく:ご飯や煮魚はかめても、たくあんやピーナッツのような固さの物がかめず、その原因(かみ合わせの異常、口が開きにくいなど)が医学的に確かめられる
- 言語:1種類が発音できない
口が開きにくいためにかむのに相当の時間がかかる場合と、著しいかすれ声になった場合は、いずれも12級相当です。味がまったく分からない「味覚脱失」は12級相当、一部の味が分からない「味覚減退」は14級相当で、原則として治療を終えて6か月たってから認定されます(交通事故裁判における歯科領域の傷害・後遺障害 31頁・32頁)。
補綴した歯の数え方
「歯科補綴を加えた」とは、失った歯や、歯ぐきから出ている部分の4分の3以上が欠けた歯に、冠やブリッジなどで補う治療をしたことをいいます。冠をかぶせるために4分の3以上を削った歯や、ブリッジの橋渡しの部分も数に入りますが、親知らずや、詰め物で治した歯は数に入りません(交通事故裁判における歯科領域の傷害・後遺障害 28頁)。
あごの骨折のあとのしびれやあごの関節の痛みは、局部の神経症状として12級13号または14級9号に当たることがあります(交通事故裁判における歯科領域の傷害・後遺障害 33頁)。
等級ごとの賠償は、いくらが目安?
| 等級 | 後遺障害の慰謝料(裁判の基準) | 労働能力喪失率 |
|---|---|---|
| 1級 | 2,800万円 | 100% |
| 2級 | 2,370万円 | 100% |
| 3級 | 1,990万円 | 100% |
| 4級 | 1,670万円 | 92% |
| 5級 | 1,400万円 | 79% |
| 6級 | 1,180万円 | 67% |
| 7級 | 1,000万円 | 56% |
| 8級 | 830万円 | 45% |
| 9級 | 690万円 | 35% |
| 10級 | 550万円 | 27% |
| 11級 | 420万円 | 20% |
| 12級 | 290万円 | 14% |
| 13級 | 180万円 | 9% |
| 14級 | 110万円 | 5% |

障害が重なるときは?(自賠責保険の計算例)
自賠責保険では、13級以上の障害が2つ以上あると重いほうの等級を1級、8級以上が2つ以上なら2級、5級以上が2つ以上なら3級繰り上げます。事故の前から障害があった部位の障害が事故で重くなったときは、重くなった後の等級の保険金額から、前からの等級の保険金額が差し引かれます(自動車損害賠償保障法施行令2条)。
- 例1:片方の目の視力が0.1以下(10級1号)になり、10本の歯に補綴を加えた(11級4号)場合、重い10級を1級繰り上げた9級として、後遺障害分の上限は616万円になります(10級の461万円と11級の331万円の合計より少ないため、616万円のまま)。
- 例2:事故の前から4本の歯に補綴があった人が、事故で3本に補綴を加えた場合、合わせて7本で12級3号になりますが、前からの14級2号の分が差し引かれ、上限は12級の224万円から14級の75万円を引いた149万円になります(交通事故裁判における歯科領域の傷害・後遺障害 29頁)。
歯やにおいの障害で、争いになりやすいことは?

歯・においの障害は「逸失利益」が争いになりやすい
歯の障害は、等級に当たるかどうかより、労働能力が失われたか(逸失利益があるか)が争いになることの多い障害です(交通事故裁判における歯科領域の傷害・後遺障害 35頁)。においの障害も、裁判では、仕事の内容によっては労働能力への影響を限定的にみる例が多いとされています(Q&A 高次脳機能障害の交通事故損害賠償実務 169頁)。仕事や家事にどんな支障が出ているかを、資料で示すことが大切です(逸失利益発生の要件)。
歯を失ったときは、将来のインプラントのやり替えや手入れの費用も問題になります。インプラントはあごの骨の成長が止まる20歳前後からの治療のため、小学生や中学生など20歳までに年数がある方は、将来のインプラントの費用を請求するのが一般的とされています(交通事故裁判における歯科領域の傷害・後遺障害 35頁〜37頁)。
等級を認めてもらうには、どんな検査と資料が必要?

- 目:視力検査
- 耳:普通の聴力検査(聞こえたらボタンを押す検査)
- 聴力検査の結果が変動するときなどは、ほかの検査が必要になる
- 目:瞳の光への反応、網膜の断面の検査(OCT)、網膜や視神経の電気的な反応をみる検査(ERG・VEP)など。視力検査とあわせてそろえることが大切
- 耳:脳の反応をみるABRなど

目:そろえたい検査と記録
- 本人の意思に左右されない検査:視力検査は本人の答えで結果が決まります。瞳の光への反応、網膜の断面の検査(OCT)、網膜や視神経の電気的な反応をみる検査(ERG・VEP)など、本人が結果を変えられない検査もそろえることが大切です(赤い本 2024年版 下巻 158頁)。
- ピント合わせ(調節機能):ピントが合う近い距離と遠い距離から調節力を測り、後遺障害診断書に書いてもらいます(むち打ち損傷ハンドブック 第4版 176頁)。調節力は、もともと年齢とともに落ちるものです(赤い本 2024年版 下巻 142頁)。
- 目の動きと視野:目の動きはヘス検査で左右の差を記録し、見える範囲は、後遺障害の判定ではゴールドマン視野計の結果が使われます(同 148頁・156頁)。片目ずつ隠すと二重に見えなくなるのが、目の動きの障害による複視です(同 147頁)。
- 事故の直後の眼科の記録:事故の直後に視神経がすでに白く変わっていると、事故の前からの障害と判断されやすくなります(同 152頁・159頁)。見え方がおかしいときは、すぐに眼科を受診してください。
耳:そろえたい検査と記録
- 純音聴力検査(オージオメータ):自動車事故や労災保険では、500・1000・2000ヘルツに4000ヘルツを加えて計算する「6分法」で聴力レベルを出します(赤い本 2020年版 下巻 85頁・86頁)。
- 検査の回数:後遺障害診断書には、3回分の聴力レベルと、言葉の聞き取りの割合(最高明瞭度)を書く欄があり、オージオグラムを添付します(むち打ち損傷ハンドブック 第4版 177頁)。結果にばらつきがないかも確かめられます(赤い本 2020年版 下巻 85頁)。
- 本人の意思に左右されない検査:普通の聴力検査は、聞こえたらボタンを押す検査です。結果が変動するときなどは、脳の反応をみるABRなどの検査が必要になります(同 83頁・91頁)。
- 耳鳴りの検査:耳鳴りの音の高さを調べるピッチマッチ検査と、大きさを調べるラウドネスバランス検査があります(同 89頁)。
- 受診の時期と事故の前の状態:耳鼻咽喉科をいつ受診したか、いつ症状を訴えたか、事故の前から聞こえの問題がなかったかは、医師が診断書を見るときに注意する点とされています(同 97頁・98頁)。
鼻・口・歯:そろえたい検査と記録
- においの検査:時間がたってからにおいの障害が疑われたときは、アリナミンテストで確かめる必要があるとされています(標準脳神経外科学 第15版 280頁)。
- 早めの歯科受診:歯のけがは、はじめの治療から事故との関係を争われることが少なくありません(交通事故裁判における歯科領域の傷害・後遺障害 34頁)。歯の痛みやぐらつきは、事故の直後から伝えて記録に残してもらってください。
- 歯科後遺障害診断書:歯の障害は、歯科用の後遺障害診断書に書いてもらいます(むち打ち損傷ハンドブック 第4版 176頁)。事故の前から補綴をしていた歯や、虫歯が進んで根だけになった歯は、事故の前からの障害として数えられるため(交通事故裁判における歯科領域の傷害・後遺障害 29頁)、事故の前の歯科の記録も確かめます。
- そしゃく・言語:食べられない物や発音できない音を、原因となる所見とあわせて後遺障害診断書に書いてもらいます(むち打ち損傷ハンドブック 第4版 177頁)。
こんなときはご相談ください

ひとつでも当てはまったら
- 事故のあとから見えにくい、物が二重に見える、聞こえにくい、においが分からないのに、まだ眼科や耳鼻咽喉科を受診していない
- 後遺障害の申請をしたが、非該当だった、または等級が低いと思う(異議申立て)
- 歯の等級は認められたが、逸失利益はないと言われた
- インプラントの費用や、将来のやり替えの費用を保険会社が認めない
- 目や歯の障害に加えて、顔に傷あとも残っている
参考文献
- 自動車損害賠償保障法施行令 2条、別表第二
- 公益財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部『民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準』(赤い本)
- 同 下巻(講演録編)2024年版 敷島敬悟「眼外傷の診断と後遺症」134頁、142頁、147頁、148頁、150頁〜152頁、156頁〜159頁
- 同 下巻(講演録編)2020年版 小林一女「耳の後遺障害について」83頁〜86頁、89頁〜91頁、93頁、97頁、98頁
- 同 下巻(講演録編)2012年版「後遺障害等級表の改訂について(外貌障害)」別紙 96頁
- 藤田貴彦編著・山田雄一郎著『交通事故裁判における歯科領域の傷害・後遺障害―因果関係、治療の相当性、将来治療費等―』(新日本法規)7頁〜9頁、28頁〜37頁
- 標準脳神経外科学 第15版(医学書院)9頁、266頁、280頁
- 尾尻博也監修・久野博文編著『頭頸部画像解剖ナビゲーション』(Gakken)91頁、92頁、252頁、261頁、338頁、339頁
- 遠藤健司・西村浩輔編著『むち打ち損傷ハンドブック 第4版』(丸善出版)176頁・177頁
- 松浦裕介・村田佳宏編著『Q&A 高次脳機能障害の交通事故損害賠償実務』(ぎょうせい)54頁、169頁



